ある日、土地家屋調査士を名のる人から隣の土地との境界の立会いを求められた!
いきなり土地の境界の位置を確認してくれと言われても正確な位置など自分は知らない!
そもそも、素直に立会いに応じて大丈夫なの?
こちらの記事では土地家屋調査士から隣地との境界の立会いをとつぜん求められ、困惑している方へ不安を解消する内容となっています。
土地の境界立会いは土地を所有する方であれば経験することですのでしっかりと事前に準備をして臨みましょう!
そもそも土地家屋調査士とは?
土地家屋調査士とは土地と建物の表題部に関する登記を代理で行う国家資格者です。
法務省よりあたえられる国家資格ですので不動産登記に関する専門的知識を持っています。
土地の表題部には土地の地積(面積)を記録する箇所がありますので業務の一環として測量も行うのです。
厳しい試験を突破した有資格者ですのでその責任は重く、虚偽の測量や登記を行った場合は厳しい処分を受けます。
境界の立会いに応じて大丈夫?
ぜひ立会いをして下さい!
というのも境界の立会いを行うことで隣地との境界標を設置してもらうことができ、将来において隣地との境界トラブルをさけられます。
ブロックをつきなすときや家を建て替えるさいなどにその境界標を基準に施工や工事を行ってもらえるため、隣地への構造物の越境を防げます。
またあなたが土地の売買や分筆登記を行う場合には逆に立会いを求める立場になるためお互いさまの精神で境界立会いに協力して下さい。
次世代へとスムーズな不動産の引き渡しのために境界立会いの求めには応じましょう!
なぜ境界立会いをするのか?
なぜ境界立会いが必要であるか例をあげて解説します。
土地売買のため
土地を売る場合、次の所有者のために隣接者全員との境界トラブルを防ぐ目的で行います。
ブロックはどちらの所有であるかや、敷地を飛び越えて構造物が越境していないかなど土地を売り渡す前にトラブル防止として行い、新しい所有者とお隣に住む方が心地よく生活できるよう土地の正確な測量を行います。
分筆登記のため
広い土地の場合は土地を2つ以上に分けて売り出す場合があります。
土地の分筆登記を行う場合は隣接する所有者全員と立会いを行い法務局に申請する必要があります。土地の正確な面積と境界の位置がはっきりしていないと分筆登記が申請できないからです。
地積更生登記のため
登記簿に記載されている面積に誤りがある場合に行う登記です。
隣接者全員と立会い境界の位置が確定して面積を導き出すと登記簿と差異がでることがあります。境界の位置が確定するためには分筆登記と同様に隣接者と立会う必要があるため地積更生登記を申請するために立会いをお願いします。
境界立会いでの注意点
境界立会いを行うときは以下の点に気をつけて行ってください。
土地家屋調査士本人が立会いを行うか?
境界立会いは必ず土地家屋調査士が行わなければなりません。
土地家屋調査士事務所の従業員や無資格者が行うことは許されませんので必ず立会いを行っている人物が土地家屋調査士であるか確認しましょう。
土地家屋調査士は写真付きの身分証を携帯していますので必ず提示を求めてください。
提示されない場合は立会いを後日にやり直してもらいましょう。
地積測量図にもとづいた位置に境界を復元しているか?
あなたの土地に地積測量図が法務局に備え付けられて場合、地積測量図に示された位置に境界が復元されているか確認しましょう。地積測量図は分筆登記や地積更生登記が行われると法務局に保存されるものです。
立会い前に法務局を訪れて地積測量図を入手できるか確認してください。
納得のいく説明をしてくれているか?
あなたの土地に地積測量図が備え付けられていない場合は土地家屋調査士は市役所にある国土調査の図面や公図などを精査し境界の位置を割り出します。
そうした資料の説明で納得してから境界の位置の承諾をして下さい。
立会いの記録は残るのか?
立会いが終了し境界の位置が決まると、石杭や金属プレートなどを地面に設置し境界の位置が明確となります。境界の位置が明確になると「確定測量図」といって境界の位置を図面に示した書面を隣の所有者と1部づつ持ち合うことになるため後日の証拠として下さい。
将来、境界標がなくなってしまった場合は「確定測量図」をもとに正しい位置に復元することが可能ですので大事に保管してください。
まとめ
- 境界立会いの求めにはぜひ応じてください!あなたの財産を守るうえで大切な行為です。
- 境界立会いを行っているのが「土地家屋調査士」本人であるか確認しましょう!無資格者による立会いはトラブルの原因となります。
- 「確定測量図」は大切に保管しましょう。将来の子孫のため境界の位置をしめした「確定測量図」は土地の権利書などと一緒にしておいてください。